「味の地域差に関する調査2018」結果報告

2018年10月 4日

「味の地域差に関する調査2018」結果報告
―特に地方で好みの多様化が進行、地域独自の味は薄れゆく傾向―

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株式会社日本能率協会総合研究所(代表取締役社長:譲原正昭 本社:東京都港区)は、2018年6月に、全国の男性・女性を対象、主婦を対象、の2回にわたって、『味の地域差に関する調査2018』を実施いたしました。本調査は、味の地域差についての総合的な調査として、下記のような実態を明らかにしましたのでご報告いたします。

好きな料理は、特に地方で『店の洋食』『ファミレス』などの増加が目立つ。

『和風の家庭料理』好きは8割半と圧倒的だが、『店で食べる手軽な洋食』『ファミリーレストランの料理』『ファーストフード店の料理』好きが、05年→18年で10ポイント以上増加。特に地方での増加が目立ち、家庭料理以外の外食などに嗜好が広がる。

好きなメニューは、『にぎり寿司』が全国区、『ラーメン』東、『お好み焼き』西。

『にぎり寿司』はいずれの地域でも7~8割の人が好きと答え、10地域中9地域で1位。2位以下は地域差が顕著となり、『ラーメン』は北海道、東北、北関東・甲信で4人に3人以上、『お好み焼き』は関西、中国、四国で3人に2人が好きと答えて人気。

好きなめん類は、『焼きそば:ソース味』、『しょうゆ味』『みそ味』のラーメン。

『焼きそば:ソース味』は全国区で人気。ラーメンは、北海道で『みそ味』、東北、北関東・甲信、首都圏で『しょうゆ味』、九州で『とんこつ味』が人気。うどんは、関西、四国で『温かいうどん:関西風かけ汁』が7割超。四国では『ぶっかけ』『冷たいうどん』も人気。

地域独自の味を作る基本調味料の使用率が減少し、地域差は薄れる傾向に。

愛知の『豆みそ』は97年→09年で7割をキープしたが、09年→18年では減少が顕著、5割を切る。阪神圏の『淡口しょうゆ』は97年→18年で7割半から4割台と半減に近い。

好きな味・風味は、肉食系『焼き肉のたれ味』『ベーコン味』が10ポイント増加。

『焼き肉のたれ味』『ベーコン味』は男性、特に30代に人気、『中華鶏ガラスープの味』『甘辛しょうゆ味』『明太子味』は若い女性に人気。『甘辛しょうゆ味』は15年→18年で最も増加。

【調査概要】

  • 《味嗜好編》全国10地域の20~70代の男性・女性を対象に、2018年6月1日(金)~7日(木)にFAX調査を実施。有効回収数3,095人(発送数4,200人・有効回収率73.7%)
  • 《料理編》全国10地域の30~70代の主婦(既婚女性)を対象に、2018年6月8日(金)~14日(木)にFAX調査を実施。有効回収数2,708人(発送数3,600人・有効回収率75.2%)

※母集団人口の地域構成比・地域ごとの年代構成比に基づきウエイトバック集計を行いました。

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特に地方で好みの多様化が進行、地域独自の味は薄れゆく傾向

Point!

◆『和風の家庭料理』好きは8割半で地域差なし、変化なし。
◆『店で食べる手軽な洋食』『ファミリーレストランの料理』『ファーストフード店の料理』を好きな人が、05年→18年で10ポイント以上増加。特に北海道、北陸・新潟、四国、九州で増加が目立ち、和風の家庭料理以外の外食など嗜好が広がる。
◆『洋風の家庭料理』『店で食べる手軽な和食』『店で食べる手軽な中華料理』も5ポイント以上増加し、好みの多様化が進む。

図表1 好きな料理のジャンル

「Q.あなた自身が好きな料理のジャンルは?」19の選択肢を提示(複数回答)

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※05年→18年上位6項目および注目の2項目について、地域別に増加ポイント数をグラフ化しました。

Point!

◆『にぎり寿司』はどの地域でも7~8割の人が好きと答え、10地域中9地域で1位。2位以降は地域差が顕著。
◆『ラーメン』は北海道、東北、北関東・甲信で4人に3人以上、『お好み焼き』は関西、中国、四国で3人に2人が好きと答えて人気。
◆首都圏で『ギョーザ』『カレーライス』『ハンバーグ』『パスタ』、四国で『天ぷら』『うどん』『炊き込みご飯』も目立つ。

図表2 好きなメニュー 地域別ベスト10

「Q.あなた自身が好きなメニューは?」63の選択肢を提示(複数回答)

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※太字は全国平均より5ポイント以上高いメニュー、色はPoint!で取り上げた特徴的な項目

Point!

◆『焼きそば:ソース味』は全国区で人気。
◆ラーメンは、北海道で『みそ味』、東北、北関東・甲信、首都圏、で『しょうゆ味』、九州で『とんこつ味』が人気。
◆うどんは、関西、四国で『温かいうどん:関西風かけ汁』が7割以上、四国では『ぶっかけ』『冷たいうどん』も人気。
◆東海の『みそ煮込みうどん』、北海道、北関東・甲信、首都圏の『冷たいそば』も特徴的。

図表3 好きな中華・和風めん類

「Q.ラーメンで、あなた自身が好きな味・タイプは?」
「Q.和風・中華めん類(ラーメン以外)で、あなた自身好きな食べ方・味付けは?」(複数回答)

img20181004_03.png

※太字は全国平均より5ポイント以上高いメニュー、色はPoint!で取り上げた特徴的な項目

Point!

◆地域独自の味を作る基本調味料が減少し、地域差は薄れる傾向に。
◆愛知の『豆みそ』は97年→09年で7割をキープしたが、09年→18年では減少が顕著、5割を切る。
◆阪神圏の『淡口しょうゆ』は97年→18年で7割半から4割台と半減に近い。
◆『麦みそ』は97年の5割弱から、岡山・広島では18年に3割と健闘、福岡では18年に1割半まで減少。

図表4 よく使う基本調味料

「Q.次にあげるもののうち、お宅でふだん料理に使っている基本調味料に〇をつけてください。」55の選択肢を提示(複数回答)

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※97年から比較できる7エリア(表記の特定都道府県)の30~40代主婦について、各地域ごとに97年当時の特徴のある調味料をピックアップし、使用率の時系列変化をグラフ化しました。(注1)首都圏は千葉・埼玉・東京・神奈川、(注2)阪神圏は大阪・兵庫です。

Point!

◆『中華風鶏ガラスープの味』『甘辛しょうゆ味』は05年→18年で10ポイント以上増加、『焼き肉のたれ味』『ベーコン味』『明太子味』は12年→18年で約10ポイント増加。
◆肉食系の『焼き肉のたれ味』『ベーコン味』は男性、特に30代に人気、『中華風鶏ガラスープの味』『甘辛しょうゆ味』『明太子味』は若い女性に人気。
◆『甘辛しょうゆ味』は15年→18年で最も増加した味。

図表5 好きな味・風味 上昇ベスト5

「Q.あなた自身が好きな味や風味は?」45の選択肢を提示(複数回答)

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※05年(調査開始年)→18年で上昇した上位5項目について、年代別に好きと答えた人の比率をグラフ化しました。

調査の内容

味の地域差に関する調査2018」は、全国の男性・女性を対象、主婦を対象、の2回にわたって、下記項目について調査しました。

《味嗜好編》20~70代男性・女性対象

①味の好き嫌い
②好きな料理ジャンル・メニュー
③代表メニューの食べ方・味付け
 ラーメン/和風・中華めん類/鍋料理
 フライ/天ぷら/サラダ
 みそ汁・スープ
④食事や買い物の実態

《料理編》30~70代の主婦対象
①よく作る家庭料理メニュー
②和風料理の味付け意識
③代表的な家庭料理の味
 みそ汁/和風の野菜の煮物/和風の麺類/卵焼き
 炊き込みご飯/チャーハン・炒めご飯/野菜炒め
 鍋料理/フライ・揚げ物
④よく使う調味料

本調査は、味の地域差のほか、時系列での変化、性年代差がわかる基礎データです。今回はその中から、「好きな料理のジャンル」「好きなメニュー 地域別ベスト10」「好きな中華・和風めん類」「よく使う基本調味料」「好きな味・風味 上昇ベスト5」に焦点をあて、結果を報告しております。

【調査購入のご案内】
・販売価格:《味嗜好編》《料理編》各定価480,000円/MDBメンバー価格430,000円(税別)

《味嗜好編》《料理編》セット価格定価900,000円/MDBメンバー価格810,000円(税別)
〔オプション企画〕時系列データ集《味嗜好編》200,000円《料理編》250,000円(税別)
・調査のアウトプット
(1)調査報告書:《味嗜好編》A4判・76ページ《料理編》A4判・76ページ、2018年7月発行
(2)集計結果数表:《味嗜好編》A4判・648ページ《料理編》A4判・883ページ・2018年7月発行
(3)集計データ一式:《味嗜好編》《料理編》2018年7月発行
(4)〔オプション企画〕時系列データ集:《味嗜好編》《料理編》2018年7月発行

※本調査の成果物の著作権は(株)日本能率協会総合研究所が保有します。
※弊社は、本調査にご参加・購入いただいた企業(法人・個人)以外には、成果物を提供いたしません。ただし、本調査を告知するための限定的な利用、及び発刊から一定期間経過後はこの限りではありません。
※本調査の成果物のご利用はご参加・購入いただいた企業(法人・個人)の内部でのご利用のみに限らせていただきます。

本件についてのお問い合わせ先

株式会社日本能率協会総合研究所

経営・マーケティング研究部 リサーチグループ 担当:土井
〒105-0011 東京都港区芝公園3-1-22
TEL:03-3578-7607 FAX:03-3578-7614 E-mail:info_mlmc@jmar.co.jp

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