親子の意識の違いに関する実態調査

2014年10月20日

  1. 今までに母親が教えてきた・子どもが教えてもらったことTOP3は親子で回答が一致。
  2. 今後母親が教えたい・子どもが教えてもらいたいことは不一致に。親は基礎を、子はテクニックを求める傾向。
  3. 子どものものの選択者は、下着類は主に親、本・マンガやゲーム、おもちゃは主に子ども。
  4. 子どもが1年以内にねだったものは平均1万5千円。親子で回答した金額が一致は8割。

株式会社日本能率協会総合研究所(本社:東京都港区、代表取締役:加藤 文昭)は、2014年7月、全国の小学4年生~中学3年生がいる600世帯を対象として「親子の意識に関する調査」を実施し、同世帯の母親と子どもそれぞれに調査を行いました。下記のような結果が明らかになりましたのでご報告致します。

調査結果概要

1:母親が子どもに教えてきたこと、子どもが親に教えてもらったことのTOP3はいずれも「基本的な生活習慣」「基本的なしつけ」「社会生活に必要なルール」と一致。

  • 母親が子どもに教えてきたことは「基本的な生活習慣」がTOPで86.0%、次いで「基本的なしつけ」が84.7%、「社会生活に必要なルール」が83.5%と続いている。子どもに親から教えてもらったことを尋ねたところ、「基本的なしつけ」がTOPで66.9%、次いで「基本的な生活習慣」が63.4%、「社会生活に必要なルール」が57.8%と続いている。
  • "母親が子どもに教えてきたこと"と"子どもが親に教えてもらったこと"を比較すると、母親の方が子どもより選択する割合が高い傾向にあり、特に「社会生活に必要なルール」(母親83.5%、子ども57.8%、と25.7ポイント差)が最も差が大きく、次いで「基本的な生活習慣」(母親86.0%、子ども63.4%、と22.6ポイント差)となっている。

2:母親が子供に今後教えたいこと、子どもが親に教えてもらいたいことは不一致な結果に。母親は基礎的なことを、子どもはテクニカルなことを求める傾向。

  • 母親が子どもに今後教えたいことは「社会生活に必要なルール」がTOPで57.0%、次いで「人を思いやる心」が49.6%、「基本的な生活習慣」が43.8%と続いている。子どもが親から教えてもらいたいことは、「進学や就職のための教育や指導」がTOPで30.3%、次いで「暮らしの中の知恵やコツ」が28.8%、「社会生活に必要なルール」が27.2%と続いている。
  • "母親が子供に今後教えたいこと"と"子どもが親に教えてもらいたいこと"を比較すると、母親の方が子どもより選択する割合が高い傾向であった。逆に子どもの方が母親より選択する割合が高いものとしては、「運動・スポーツ」(子ども18.1%、母親4.3%、と13.7ポイント差)、「学校のレベルを超えた勉強」(子ども19.3%、母親5.6%、と13.7ポイント差)、「学校で習う範囲の勉強」(子ども24.7%、母親12.7%、と12.0ポイント差)、「外での遊び」(子ども13.7%、母親4.8%、と8.9ポイント差)となった。

3:子どもの身の回りの商品、主に親が選ぶのは「下着類」「洋品小物」「おやつ」、主に子が選ぶのは「本・マンガ」「ゲーム」「おもちゃ」。

  • 子どもの身の回りのものを購入・利用する際に、主に選ぶのは誰かを母親に尋ねたところ、主に「母親が選ぶ」が多いものは、"下着類"がTOPで63.1%、次いで"洋品小物"が47.3%、"おやつ"が46.3%と続いている。主に「子どもが選ぶ」が多いものは、"本・マンガ"がTOPで76.1%、次いで"ゲーム"が62.3%、"おもちゃ"が55.5%となった。なお、「相談して選ぶ」が多いものは、"外食時のお店"がTOPで69.5%、次いで"靴"が50.1%、"洋服""スポーツ用品"がともに43.8%と続く。

4:子どもがねだった高価なものの金額は、平均1万5千円。親子で回答した金額一致は8割。

  • 子どもがねだって購入してもらったもののうち最も高価だったものの金額を子どもに尋ねたところ、「1万円~3万円未満」が約24%、「5000円~1万円未満」「3000円~5000円未満」がともに約20%であり、平均すると約15,000円となった。また子供に具体的に購入してもらったものを尋ねたところ、「ゲーム」「ゲームソフト」「スポーツ用品」「衣類」等が多く挙げられた。
  • 母親に尋ねた金額と子どもに尋ねた金額が一致していた割合は約80%。

今回の調査結果より

本調査は世帯の母親と子どものそれぞれに調査を実施し、両方から回答のあった世帯だけを有効票として扱いました。"子どもに教えてきたこと・親から教えてもらったこと""子どもがねだった高価なもの"といった実態については、母親と子どもで概ね回答が一致している結果となりましたが、"今後教えたいこと・教えてもらいたいこと"となると、親はルールや思いやり、生活習慣といった基礎的な項目を挙げているのに対し、子どもは進学・就職のための教育・指導や暮らしの中の知恵とコツといったテクニカルなことを求めているのが特徴的でした。"親の心子知らず"が正に合致するような傾向ですが、逆に子供目線から見ると「運動・スポーツ」や「勉強」はもっと親子のかかわりを求めているような結果となり、コミュニケーションが満足でないようにも見受けられます。 お母さん、秋の夜長、子どもとゆっくり会話をするのは如何でしょうか。

調査概要

調査タイトル 親子の意識に関する調査
調査内容 ◆母親調査
  • 年齢、居住地域、職業
  • 子供の身の回り品の選定者
  • 子供にせがまれ購入したもの・その金額
  • 子供に意識して教えたこと・今後教えたいこと
◆子ども調査
  • 性別、学齢
  • 身の回り品のうち、自分で選びたいもの
  • 親にねだり買ってもらったもの・その金額
  • 親から教えてもらったこと・今後教えてもらいたいこと他
調査対象者および発送数 小学4年生~中学3年生のいる世帯の子どもおよび母親 600世帯
有効回収数(内訳)および有効回収率 男児小学生と母親:96世帯  男子中学生と母親:104世帯
女児小学生と母親:93世帯  女子中学生と母親:100世帯
合計:393世帯   有効回収率:65.5%
実施時期 2014年7月24日~2014年7月29日
調査方法 日本能率協会総合研究所 モニターリサーチシステムを利用したFAX調査

結果詳細

1.今までに母親が子どもに教えてきたこと、子どもが親に教えてもらったこと

母親調査「あなたは、以下の項目について、今まで特に意識して、お子様に教えたり伝えたりしたことはありますか。」(複数回答)
子ども調査「以下の項目のうち、あなたが今までに自分の親からしっかり教えてもらったこと・やってもらったことをお答えください。」(複数回答)

母親へは、「今まで特に意識して、子どもに教えたり伝えたこと」を尋ね、子どもへは、「自分の親からしっかり教えてもらったこと・やってもらったこと」を尋ねました。母親は、「基本的な生活習慣」がTOPで86.0%、次いで「基本的なしつけ」が84.7%、「社会生活に必要なルール」が83.5%と続いています。子どもは、「基本的なしつけ」がTOPで66.9%、次いで「基本的な生活習慣」が63.4%、「社会生活に必要なルール」が57.8%と続いており、上位3項目は母親も子どもも回答が一致しました。(図1) また、母親の回答と子どもの回答スコアをそれぞれグラフ上にプロットしたところ、母親よりも子どもの方が教えてもらったと認識しているものとして「学校で習う範囲の勉強」「運動・スポーツ」「外での遊び」「学校のレベルを超えた勉強」が挙げられ、逆に子どもよりも母親の方が教えたと認識しているものは「基本的なしつけ」「基本的な生活習慣」「社会生活に必要なルール」「人を思いやる心」「暮らしの中の知恵やコツ」「自然や環境を大切にすること」「いろいろな生活体験」「本や新聞を読む習慣」が挙げられました。(図2)

図1 母親が子どもに教えてきたこと、子どもが親に教えてもらったことランキング
図1 母親が子どもに教えてきたこと、子どもが親に教えてもらったことランキング(それぞれn=393)

図2 母親が子どもに教えてきたこと、子どもが親に教えてもらったこと
図2 母親が子どもに教えてきたこと、子どもが親に教えてもらったこと(散布図)

2.今後母親が子どもに教えたいこと、子どもが親に教えてもらいたいこと

母親調査「あなたは、以下の項目について、今後特に意識して、お子様に教えたり伝えたりしたいことはありますか。」(複数回答)
子ども調査「今後、あなたが自分の親から教えてもらいたいこと・やってもらいたいことをお答えください。」(複数回答)

母親へは、「今後特に意識して、子どもに教えたり伝えたりしたいこと」を尋ね、子どもへは、「今後、自分の親から教えてもらいたいこと・やってもらいたいこと」を尋ねました。母親は、「社会生活に必要なルール」がTOPで57.0%、次いで「人を思いやる心」が49.6%、「基本的な生活習慣」が43.8%と続いています。子どもは、「進学や就職のための教育や指導」がTOPで30.3%、次いで「暮らしの中の知恵やコツ」が28.8%、「社会生活に必要なルール」が27.2%と続いており、「社会生活に必要なルール」は母親・子どもとも上位に挙がりましたが、他は異なる項目が挙がりました。(図3) また、母親の回答と子どもの回答スコアをそれぞれグラフ上にプロットしたところ、全体として母親の方が子どもより選択する割合が高い傾向がみられ、特に「人を思いやる心」「社会生活に必要なルール」「基本的な生活習慣」「本や新聞を読む習慣」「基本的なしつけ」「お金に関すること」等が挙げられる。逆に、母親よりも子どもの方が教えてもらいたいと思っているものとして「運動・スポーツ」(子ども18.1%、母親4.3%、と13.7ポイント差)、「学校のレベルを超えた勉強」(子ども19.3%、母親5.6%、と13.7ポイント差)、「学校で習う範囲の勉強」(子ども24.7%、母親12.7%、と12.0ポイント差)、「外での遊び」(子ども13.7%、母親4.8%、と8.9ポイント差)が挙げられました。(図4)

図3 母親が子どもに教えたいこと、子どもが親に教えてもらいたいことランキング
図3 母親が子どもに教えたいこと、子どもが親に教えてもらいたいことランキング(それぞれn=393)

図4 母親が子どもに教えたいこと、子どもが親に教えてもらいたいこと
図4 母親が子どもに教えたいこと、子どもが親に教えてもらいたいこと(散布図)

3.子どもの身の回りの商品を購入する際の選択者

母親調査「あなたのお子様が利用する、以下に挙げる身の回りのものについてお聞きします。これらを購入・利用する際、主に選ぶのはあなたとお子様のどちらですか。」(それぞれ単数回答)

子どもの身の回りのものを購入・利用する際に、主に選ぶのは誰かを母親に尋ねたところ、主に母親が選ぶものは、「下着類」がTOPで63.1%、次いで「洋品小物」が47.3%、「おやつ」が46.3%と続いており、子どもが日常で使用する必需品が挙げられた。主に子どもが選ぶものは、「本・マンガ」がTOPで76.1%、次いで「ゲーム」が62.3%、「おもちゃ」が55.5%と続き、趣味・嗜好に幅のあるものが挙げられた。なお、相談して選ぶものは、「外食時のお店」がTOPで69.5%、次いで「靴」が50.1%、「洋服」「スポーツ用品」がともに43.8%と続いています。(図5)

図5 子どもの身の回りの商品の選択者
図5 子どもの身の回りの商品の選択者(n=393)

4.子どもにねだられ購入した高価なもの、子どもが親にねだって購入した高価なもの

母親調査「あなたのお子様から直近1年以内に購入をせがまれた(ねだられた)ものの中で、実際に購入した最も高価なものはいくら位ですか。」(単数回答) 「上記でお答えになったものを具体的にご記入ください。」(自由記述)
子ども調査「あなたがこの1年以内に親にねだったもので、実際に買ってもらったもののうち、最も高価なものはいくら位ですか。」(複数回答) 「上記でお答えになったものを具体的にご記入ください。」(自由記述)

子どもがねだって購入してもらったもののうち最も高価だったものの金額を子どもに尋ねたところ、「1万円~3万円未満」が約24%、「5,000円~1万円未満」「3,000円~5,000円未満」がともに約20%であり、平均すると約15,000円となった。母親に尋ねた金額も平均すると約15,000円となった。(図6) なお、子どもに具体的な商品を尋ねたところ、"3,000円未満"では「衣類」「本」「文房具」「スポーツ用品」、"3,000円~5,000円未満"では「ゲームソフト」「衣類」「スポーツ用品」「靴」「玩具」、"5,000円~1万円未満"では「スポーツ用品」「ゲームソフト」「衣類」「玩具」「ゲーム」、"1万円~3万円未満"では「スポーツ用品」「ゲーム」「音楽プレーヤー」「衣類」「自転車」、"3万円以上"では「スマートフォン/携帯電話」「スポーツ用品」「楽器」「家具」「電子辞書」が上位に挙げられた。(図7) 母親に尋ねた金額と子どもに尋ねた金額が一致していた割合は約80%となった。(図8)(図9)

図6 子どもがねだった高価なもの
図6 子どもがねだった高価なもの(n=393)

図7 子どもがねだった高価なもの
図7 子どもがねだった高価なもの(n=393)

図8 子どもがねだった金額と母親が答えた金額
図8 子どもがねだった金額と母親が答えた金額(n=393)

図9 子どもがねだった金額と母親が答えた金額の合致度
図9 子どもがねだった金額と母親が答えた金額の合致度(n=393)

株式会社日本能率協会総合研究所について

株式会社日本能率協会総合研究所は、お客様の課題解決を使命とする日本能率協会グループの調査・研究機関として、専門性に裏打ちされた確かなリサーチを提供しています。 紙媒体(郵送・FAX)で調査可能な一般生活者アンケートモニターを約88,000人(約26,000世帯)保有しております。世帯でモニター登録をしているため、「小学生と母親」、「成人した子供と要介護の母親」など、様々な組み合わせの親子調査が実現します。また高齢者を対象とした調査も可能です。20年近くモニター管理・運用をしており、民間企業や大学、公共機関のお客様に長年ご利用いただいております。

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本調査に関するお問い合わせ

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